十年以上まえに好きになった人にもらった登山靴があった。
その登山靴は一度も活躍することもなく、また、彼に出会う日があればと思って十年以上靴箱で眠っていた。
断捨離が流行ってる割には、もらった物をなかなか処分できないし、忘れっぽい割には貰い物一つ一つを見ても鮮明にくれた人のことを覚えてるものだ。
ただ、最近、やっぱり登山は縁が無いかなと思って、ゴムの劣化した登山靴を処分したよ。
サヨナラ、日本の山。
ご縁がありませんでした。
と、思ったんだけど、ある人に登山に誘われて、
「二週間前に登山靴捨てたとこなんです」
と断わった。
ら。
なんと、その人が新しい登山靴をプレゼントしてくれた。
何かを捨てると、新しい何かがやってくる。
しがみついてる物を手放さないと、新しい物は入ってこない。
捨てたはずの登山靴は、カタチを変えて私のところへ戻って来た。
神様はイタズラが大好きなのか、それとも、とにかく山に登りなさいということなんだろうか。
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断捨離
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