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Channel:  深田萌絵 公式ブログ 世界経済の裏事情
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検挙率99.98%

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昨日は変な電話がかかってきた。

「日本の検察がお前を逮捕しようとしている!!」

電話の向こうで大騒ぎしてるのはアメリカ人。国際犯罪に私が巻き込まれてるとか、サイバーテロリストに狙われてるとか、どうも英語でそんなことを言っていた。

「ちょっと、ちょっと、じゃあ私は何の罪で逮捕されるの?」

と聞いたら、

「罪状なんてなんだってどうだっていい!検察は逮捕しようと決めたら、誰だって逮捕できるんだよ!十年前の俺を覚えてるだろ!
ある日、俺は罪状無しで民事裁判にかけられて、最初の二人の裁判官は『こんな罪状無しの裁判したら、自分の身が危ない』って言って、逃げ出したんだ。俺も、罪状無しで裁判なんか馬鹿馬鹿しいにもほどがあると、当然だと思ったよ。
ところが、三人目の裁判官がやってきて、そいつは薄ら笑みを浮かべて言ったよ。『お前の罪状なんて、なんでもいい。俺はお前を牢屋へぶち込むと決めたんだ』って言った。
判決は、資本金と預金残高が一致しないから、虚偽の資本金表示の罪って言われたよ」

と外人は、私にまくし立てた。

「うっそだー。そんな、資本金なんて、それ使って会社運営するために入れるんだから、一致するわけないじゃん」

「そうだよ!それが普通だ。でも、俺はそれで刑事事件で有罪になったんだよ!検察を舐めるな!」

「えー、でも…」

「日本の検察の検挙率は毎年99.98%以上だぞ!!裁判にかけられた段階でお前の負けは決定してるんだ!こんなの普通じゃない。アメリカでも検挙率は60%くらいだ」

「そんなのさ、日本人は真面目に仕事してるからに決まってるんじゃない?アメリカ人とか、イタリア人とかいい加減だもんね」

「そういう問題じゃないだろ!!検挙率が高過ぎるのが問題なんだ。日本の検察の検挙率の高さは、中国台湾なんかのファシズム国家並みなんだぞ!!検察に告訴されたらほぼ有罪確定なんて、基本的人権が無視されてるに決まってるだろう!」

「でもさ、何の証拠もなしに刑事告発なんて、そんなことできちゃうの?」

「できる。検察は証拠捏造でもなんでもできる。データ改ざんだって、偽のビデオも偽の会話テープもなんだって作れるんだよ。デジタルの世界で不可能なことは何にも無いんだ!!」

「いやー、検察がそんなことするかな?ちょっと信じ難いんだけど…」

「俺は、検察の捏造のために亡命したんだぞ!!検察の捏造のために、俺は自分が生まれた国へ帰れないんだぞ!!忘れたのか!?」

そうだった、そういえば、そんなこともあった。平和ボケの日本で産まれて三十五年の自分にはあまりピンと来なかった。

「とにかく、警察へ行け!!弁護士に会え!!誰でもいいから、思い付く限りの人間に連絡して、突然逮捕されることを免れろ!!」

なんだ、なんだ、そんなこと突然言われても、こっちは訳が分からない。

「ちょっと待ってよ。検察とか、裁判所とか、嚇かさないでよ。メンヘルになっちゃうじゃん。だいたい検察が私を逮捕するメリットないでしょ!」

「金だよ。彼らは金の為なら何でもする。『クロコーチ』をお前もドラマで見てるだろ?到底考えられない量の札束が裏では飛び交ってるんだよ!」

「いやいや、クロコーチは分かるし、ホリエモンが何の罪で逮捕されたのか未だによく分からないから検察が逮捕すると決めたらほぼ有罪確定も知ってるし、検察が賄賂でずぶずぶなのも分かるけど、私を逮捕したいからってそんな大金を積むメリットあるかな?」

取り乱した変な外国人を落ち着かせる為にそう言った。

「あるよ、お前は『クリプトロッカー』の犯人を知ってる重要証人だからだ」

と、彼は深刻そうに答えた。

なんだ、クリプトロッカーって?


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