今朝は銭湯で熱い風呂に入った。
人気がなかった。
その時、私の濡れた唇から、雨降る新開地のメロディーが流れた。
これは、四半世紀前にリリースされたファミコンのゲーム、たけしの挑戦状という果てしなく難しいゲームに出てくる場末のスナックでこれを歌いこなさなければクリアできない曰く付きの唄だ。
10歳の頃、この唄を真剣に練習したが、あのゲームはクリアできなかった。
今思えばリアルなゲームだ。
家に帰ると嫁さんにドヤされ、離婚を切り出すと慰謝料として強制的に金取られ、サラリーマンとして会社に行って社長から退職金もらって、場末のスナックで唄を歌い、突然ヤクザに絡まれてどつきあい。
こんなゲーム、今の若者には思いつくまい。
やっぱり、たけしさんは天才だ。
また、たけちゃんマンが見たい。
喉の渇きを覚えながら、私は雨降る新開地を口ずさんだ。