第10回戦 追記
深田の精神状態なんてどうでもいい話だけど、訴訟が始まり、銀行口座を名義違いで差し押さえられ、中国スパイに付きまとわれ始めた頃はワケが分からなくて、かなり精神的に弱っていた。
2013年の年末、半分ウツ状態で大阪の実家に帰り、2014年の初詣に母と出掛けた時に、神社で厄除けが五百円で売ってるのが見えて思わず手を伸ばしたら母にその手を掴まれた。
「萌絵ちゃん、あんた、もしかして、厄が怖いとか言うんと違うやろな?」
母が目を合わせて来た。
どうしよう、さすがに母さんにスパイ事件やら訴訟事件の相談はし辛い。
「あ、いや、別にそういうワケでは無いんですけど…」
「あんた、初詣のお参りって言うのはな、こうやるんや!」
母はお賽銭箱に小銭を投げて、パンパンッと柏手を叩き、
「厄よ!来るなら来い!受けて立つ!」
と叫んだ。
母はドヤ顔で振り返り、この雰囲気では日々押し寄せてくる厄に対して挑戦状を叩きつけるまでは家に帰れない雰囲気になった。
止むを得ず、深田は厄除けを棚に戻して、柏手を打ち、
「厄よ!来るなら来い!受けて立つ!」
と新年神に挑戦してしまった。
後日詳しく書くが、結論から言うと、そこからいっそう酷い目に遭った。
ボロボロになった私を見て、母は、「今日はこの程度で済んで良かったと神様に感謝しなさい。明日はもっと酷い目に遭うかもしれないんだからね。あんたみたいなデタラメな娘、私がご先祖様拝んでるからマグレで生き延びてるだけやから調子に乗るなよ」と慰めてくれた。
2015年の初詣、深田は柏手を打って「参りました。そろそろ勘弁してください」と祈るハメになったのだ。´д` ;