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Channel:  深田萌絵 公式ブログ 世界経済の裏事情
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ハッキングされました第31回戦 キーパーソン

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こちらの記事も削除されていました。
以前に居た副社長の小林英里(現姓岩沢英里)が民間軍事両用技術を盗んで中国に関連する企業に移ったことを書いたからかと思われます。

しかし、誰かな、ハッキングしてきてる人。
アルファアイティーシステムさんかしら。。。
そういえば、アルファアイティーシステム社長の藤井一良さんは私に秘密裏に小林英里に会ってましたからね。

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第31回戦 キーパーソン

「クレイジーだな」

深田の新会社を立ち上げようという提案をマイケルはSkype越しに笑った。全部持ち逃げされて、何も残ってないのに、また会社やろうなんて、確かにちょっとバカげてる。

「資金はどれだけあるんだ?」

「会社の登記して、一ヶ月分の資金繰りと私の一ヶ月分の生活費よ」

一ヶ月しかもたないのに会社始めるなんて本当にどうかしている。どこまでお前は博打打ちなんだと、自分でも言いたくもなる。

実家へ帰ることも考えたけど、今、諦めたらきっと後悔する。諦めるなら、コテンパンにやられて二度と立ち上がれなくなるまでやられてからだ。ま、けっこうやられたけど。

「一ヶ月か。日本のチャイナリスクが高過ぎるから俺は出資できない。それでもやるのか」

「出資はいらない。すぐに営業に出るから、技術だけ出して」

金は無くても技術があれば、営業で取ってこれる。

「慌てるな、2日待て。そして、株主に相談して全員の了承を得ておくんだ」

そう言って、マイケルはSkypeを切った。

2日後、マイケルは新しい開発中の基板を持って日本ヘ帰ってきた。マイケルのアパートの共有スペースで、マイケルは基板を広げた。もう、我々にはオフィスすら無いのだ。

「なにそれ?」

「音速機の遠隔運転で使おうと思ってた、高速動画伝送システムだ。コンシューマ規格に直した」

「今どき動画配信なんて誰でもやってるし、YouTubeでもできるよ」

「そうじゃない。動画配信サーバーを経由せずに高速で動画を伝送するシステムはまだコンシューマの世界には無い」

ネットでマイケルの開発した動画伝送システムのスペックとコンシューマのスペックを比べた。有線伝送でも世界最速を謳う米国製品より15倍速い。

無線動画伝送システムで比較すれば100倍速いのだ。

「どの分野に営業かけるべき?」

「医療、防災、遠隔操作系だ」

「じゃあ、今すぐ営業行ってくる」

「ちょっと待て、脳タリンのフカダ。設定にあと数週間かかるぞ」

とマイケルが言い終わる頃には、もう深田は営業に出ていた。

「え、世界最速動画伝送システム?発注します。デモ見せてね」

医療系システムを開発してる会社の社長がそう答えた。

「ごめんなさい!設定が終わってないから、デモまで数週間かかります」

「いいよ、先に発注します」

技術が好きな社長なので、新しい技術は早く買って研究したいようだった。やったー!と、深田は思ったが冷静に考えると仕入れの代金が無い。

「前金お願いします!」

「え、前金?」

一瞬社長は戸惑ったが、「仕方ないなぁ」と同意してくれた。

「よおし、これで一ヶ月延命!」

全財産失って、最後にブランド物売ったお金で立ち上げた会社の寿命が一ヶ月延びた。

このことを株主に報告しなくては。

前の会社解散させちゃって、新しい会社始めるなんて言ったら絞られるかもしれない。

「こちらへどうぞ」

社長室へ通されると、イタリア製のスーツにポケットチーフを入れた品の良い男性が革張りのチェアに座っていた。

深田は恐る恐る経緯を報告した。

「あーはっはっは、さすが深田さんですね。面白い!」

株主はお腹を抱えて笑ってた。

深田はキョトンとする。

「いや、大親友のエリさんに裏切られて意気消沈してるなら、励ましてあげようと思ったけど、やっぱり深田さんなんですね」

「いや、泣いちゃいましたけど、それで終われないです」
そうこなくっちゃと彼は笑った。

「最近、ヨーロッパの宮殿でパーティを開いたので僕もちょっと余裕無いけど、資金出しますよ」

「あの、ありがとうございます!!」
深田は会社を出てから、思わず顔が綻んだ。

会社を解散させたのに、怒られるどころか更に応援してもらってしまった。エンジェル投資家達の対応は、天使どころか神の領域に達した。

辛い事があった。

泣いた。

もうダメだと思った。

でも、まだ応援してくれる人がいる。

神様ありがとう。

深田は傲慢でイヤな女でした。

自分の甘さや傲慢さを反省しながら地下鉄に乗ってマイケルの下へ向かった。

「マイケル、資金繰りの目処がついた。これで半年はいける」

深田はアパートの共有スペースに戻った。マイケルは共有スペースを自分のオフィスかのように堂々と使っている。

「GOOD。でもな、フカダ」
マイケルはパソコンを指差した。

「なに?」
マイケルのメールボックスに中国上場企業の役員からメールが来ていた。ファーウェイのコンペティターだ。

「こう書いてある。『御社のキーパーソンを関係会社に引き抜いたとファーウェイ幹部が自慢しに来たぞ。どうなってるんだ?』ってな」

深田は眼を見張った。

確かに、そう書いてある。

キーパーソンも何も、こんな数人しかいない会社、そんな居なくなったのは一人しかいない。
彼女は脅迫されていたわけじゃ無かった。

彼女は喜んで産業スパイとなったのた。

しかも盗んだのは、輸出規制の民軍両用技術か。

TO BE CONTINUED


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