二十代前半はよく色んな人の成功談みたいなのを読んでました。読んでは、こういう凄い人っているんだなと、尊敬の気持ちを抱きました。
二十代後半に入ると、意外と尊敬していた人があまりにも乱暴でがっかりさせられることが多くて、尊敬できる人っているのかなぁと思いました。
三十代に入って、もう尊敬する人とか出会えないかもと思っていたけど、急になんとも思ってなかった長年知っている人に対して尊敬の気持ちが湧いてきました。
その人は名もなき営業マンですが、勤めていた会社が倒産して、会社から給料が出なかった時期が長いのに、社長の代わりに弁護士に相談したり、債権者に謝ってまわったりしているのをみて、若かった自分はなんで損なことするんだろうって思ってたんだよね。
あれから何年も経ったけど、気がつけば彼は顧客から信用を失うことなく、今は自分で会社を運営するようになりました。
二十代のときは、ただの垢抜けないオジサンに見えた人ですが、三十代になると人との関係を大事にする人ってこういう人なのかと、なんだか人間の優しさに対して尊敬の念を覚えるようになっちゃった。
思えば二十代の頃って、自分もそうなりたい!成功したい!っていう子供じみた憧憬を尊敬と錯覚していたんじゃないかな。
誰かを敬うって、そういう表面的なことではないんだね。
最近は身近な人を尊敬する楽しみができました。母さんには、人間の優しさが分からない子だと嘆かれていましたが、多少はマシな人間になったかなぁ。でも、基本的に深田は浅はかで短絡的なんだよね。
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尊敬と憧憬と幻滅と
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