自分が御輿を担ぐ時があれば、担がれる時も人生にはあります。
大事なのは、担がれている時に、自分が無責任な人々によって担がれているという自覚と、いつまでその御輿に乗るかという判断だと思う。
御輿に乗るのは気持ちいい。
だから、ついつい乗り過ごしそうになるけれど、気分が良い時ほど冷静に周りの景色を見渡さないといけない。
殆どの人は適当によく踊りそうな人間を担ぎ上げる。
自分にスポットライトが当たったときは、舞い上がるのではなく、どうして他に適当な人間がいなかったのかを考えるべきだ。
担がれる時は、担ぐ人間は自分の欲望を達成するために誰かを担ぎたいと思っているし、担いでいる人間が望むように踊れない場合は簡単に御輿をひっくり返すだろう。
ひっくり返った御輿に驚いている間に、気が付けば別の人間が担がれてさも愉快そうに躍っているさまをみれば、ゾッとくると思う。
その時には、地べたを歩く人生がいかに自分の財産であるかと、安堵するんだ。
抜粋ー 十九歳の時のノートより ー
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